3.11 側面。

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震災があって良かった。と彼女は言った。

 

初めて出会ったのは高校2年生の春、

部活の見学会に新入生の彼女がやって来たとき、

年の割に落ち着きがあって、少し目が据わっていて、

とっても真面目そうな子だな、と思った。

 

他の部員から「福島から来た子なんだって」と聞いた。


実家が原発警戒区域にあったため、中学生だった彼女はそれをきっかけにウチの県に引っ越して来たらしい。皆それ以上は深く言わなかった。震災から間もないその頃、それはとてもデリケートなものだった。
彼女とは部活では仲良くしていたけど個人的に遊びに行くほどの関係にもならず、そのまま私は卒業した。誰にでも優しく面倒見のいい彼女は、その頃部長をやっていた。

 

高校を卒業して数年後、彼女に会いたい日があった。なんとなく会いたかった。

それが3月11日だった。


 ちょっと連絡したら、本当に来てくれることになって、彼女は3時間掛けて私の住んでいるアパートまでやって来た。この日は泊まることになった。

手土産を持って、表情は軽やかだった。

 

しかし私はこんな日に誘ってしまった事を、少しだけ悔やんでもいた。

 

その話になったのは、夜が更けた頃だった。

 

 「あの、こんな事、あんまり言っちゃいけないと思うんですけど...

 

 

わたし、本当は、震災があって良かったと思ってるんです。」

 

ポツリ、彼女が言った。

 

 


それは深く聞かずにはいられない言葉であった。 

 

それから探っていくと、
どうやら彼女が地元にいた頃、人間関係がずっとゴタゴタしていたらしい。
学校へ行くのが嫌で、けれど行かなければならない状態で辛い日々を過ごし、もうこんな所から逃れたい、と思っていた矢先に地震が起きた。

 

原発の近くだったから、引っ越すことになって、それで救われたというか。」

 

こんなこと言って良いのかわかんないんですけどね、と彼女は何度も付け加えた。

「こっちに来てからは、そんなに人間関係で困ることもなくて、良かったなあって。」

 

そう言って少しだけ笑った。

 


その時私は、3.11の側面を見た。
そして、被害を受けなかった側の人間として、勝手に悲しみを増幅させていたことに気づいた。

 

私たちは音楽部だった。

 

演奏会では「花は咲く」を演奏した。

 

ニュースを見ては心を痛めた。

 

24時間テレビの映像に泣いた。

 

しかし彼女にとってのそれは、新しい人生の始まりであった。

 

彼女が落ち着いていたり真面目だったりしたことに、震災は関係なかった。

私は勝手に、あれもこれも、結びつけていた。私が勝手にかわいそうな子にしていたのだ。

彼女は彼女の人生を、運命を、ありのままに受け入れて歩んでいた。

 

 

 

今日であれから5年経った。私は今病気をしている。
あの日以来、彼女とは連絡を取っていない。


彼女は今何をしているだろうか。

 

病床にて、幸せを願う。

 

 

 

 

テレワークと第三者の目。そしておうちコワーキング化計画

こんにちは。ニートです。

 

今日はブログ開設記念に1記事書いてみます。

しがないニートの一意見ですのでご容赦ください。

テレワークと第三者の目

 

2020年、働き方改革に拍車をかけるようにコロナウイルスがやってきたこの時代の転換期、「テレワーク」という言葉が今まで以上にメディア露出されています。

 

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことである。テレワークは、育児・介護等を行う一部の従業員のみに対する福利厚生策ではなく、会社全体の働き方を改革する施策の一つであるとして期待されている。

出典:第21回日本テレワーク学会研究発表大会予稿集(p29より)

 

そして多くの方々がなんやようわからんまま在宅勤務を強いられたりしているわけでございます。本当に、ニートの私がこんなことを言うのも大変恐縮なのですが、皆様大変お疲れ様でございます。(特にお子様がいらっしゃる方の苦労に関しては計り知れません。)更に元々フリーランスでカフェやコワーキングを活用されていた方々、集中できない自宅での作業をすることになってしまったこと、大変お心苦しいことと存じます。 

 

そして、ここにきて自宅以外の実空間を使って作業していたことの重要性に気づいた方は少なくないでしょう。

 

そう。

我々"真面目で勤勉な日本人たち"は、なぜ今まで外で仕事することを選んでいたのか。

 

それは

「第三者の目があったから」

なのだと。

 

フリーランサーは気づいてたよね

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前職の関係で多くのフリーランサーと接する機会がありましたが、なぜ家にWi-Fi環境があるのにコワーキングスペースを使うのかを問うてみると、返ってくる答えは大抵「自宅だと気が散って集中できないから」と言ったものでした。

 

しかしカフェやコワーキングスペースに行くと、何らかの作業に没頭している知らない人がいっぱいいるわけです。すると「おっと、これは怠けてられないだわよ〜!」と気持ちが引き締まるんですね。

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そこで先述した通り、そろそろ、テレワークには「第三者の目」が必要なことと、どうやったら自宅にいても集中して作業することができるか、そういった問題が表面化してくることでしょう。とうとう我々は"家だと集中できない”そして"一人じゃやる気起きない"ということを認める必要が出てきました。人間だもの!既に身に沁みて感じてらっしゃる方も多いかと思います。(勿論自宅で1人で作業しているのが合っている人も一定数いる)

 

世界中で自宅にいることを強いられる、こんな危機的状況になる前までは、テレワークと言う言葉は(日本においては)どこか夢物語であったように思います。もちろんグループウェアを開発されているようなIT企業は10年も前から先駆けてそういったことを行なっていました。しっかり働き方改革を実施していたわけです。そしてこの時期にこの記事をドンデンドンデンドンデーーーン!と打ち出したサイボウズには感服いたします。

 

cybozu-remotework.qloba.com

 

↑テレワークを導入していない企業に務めてらっしゃる裁量権のある方は是非ご一読ください。(テレワークができない職種の方も多くいらっしゃるかとは思いますが、、)

 

実はテレワークという言葉自体は20年も前から在ったもので、去年で日本テレワーク学会は20周年を迎えました。昨年、その一般公開シンポジウムに出席しましたが、テレワークが普及するまでにはまだまだ時間が掛かりそうだなという印象を受けました。

 

なぜならこれまで「働く=会社でするもの」という考えが根付いていた(そして何より、就職氷河期を乗り越え、ここまで大変な苦労を重ね時代を繋いでくださった)ロスジェネ世代以前の皆様に取っては、テレワークという概念自体が理解し難いことと思うからです。実際、還暦近いウチの母親は今回のコロナの件でテレワークをすることとなり、かなり苦戦している様子です。そもそもPCの操作も危うい上にチャット上でのコミュニケーションがメインとなり、周りに人がいないというのは中々につらいことでしょう。

 

それでですね、

今やコワーキングスペースやカフェすらも使うことが危ぶまれている状態の今、(ニートだけど)僭越ながらおうちコワーキング化計画を提案したいと思います。(ニートだけど、、)(でしゃばったこと言ってごめんなさい、、)(本当にごめんなs

 

簡潔に言うと

自宅にいながら、第三者に見られている状況を作り出すというものです。

おうちコワーキング化計画

⚠️ブログを書くに当たってパッと思いついたものですので、大企業勤めでテレワークされている方には向かないかもしれません。というか既に社内で実施されているかも。⚠️

 さて、この計画の対象者は

フリーランサー

・ある程度自由の利く企業勤めのテレワーカー

(・学生もいいかも)

です。

 

そして必要なものは

Wi-Fi環境のあるおうち

・作業用PC

・カメラ付モニター(なければ何らかのデバイス

 

そしてやることはただ一つ

ライブ配信をしましょう!

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※しかし誤って作業画面が共有されないように、モニターや各種デバイスは作業用PCとは別に用意し、最新の注意を払う必要があります。(もう少しここは考えないといけないね)

 

え〜そんなこと〜?って思うかもしれませんがそんなことで作業効率は上がるぞい。 

 

ここで私事を挟みますが、やる気がないけど勉強をしなければいけない事態に直面した時、私はライブ配信をしながら勉強をします。手元だけカメラに写しながらひたすら勉強するだけです。するとびっくり自分の部屋なのにピリッとした空気が漂うわけです。主に英語の勉強に励んでいるわけですが、「誰かに見られている」という圧が程よい緊張感を与えてくれます。ここで「やらなきゃ」という環境が生まれます。

 

私が使っている配信ツールはPeriscopeというもので、主にTwitterライブ配信ツールとして使われています。勉強しながら英語をブツブツと喋っているので海外の方からコメントがあることもあり、それに対して息抜き程度に答えるのも楽しいです。(人気ライバーになったらコメント来過ぎて逆に困っちゃうね)

apps.apple.com

 

オンラインサロンなどではZOOMやSkypeなど使って皆で顔を写しながら作業するなど、コロナ以前にやっているところは多いかも。それ、皆でやろうよ!ってことです。

 

とにかくこんな時こそ第三者の目です。

試せそうな方は試して見てください。

 

ということで一発目のブログ、おーわり。